2007-11-17
■ ホラーマニアの異常な愛情/または私は如何にして他人の目を気にするのを止めてラヴやんを愛するようになったか

「ラヴクラフトくらい知っておいたほうがいいのかと読んでみたものの、さっぱり面白くなかった。」という記事を見かけた。
あー、それはよくわかります。私も面白くなるまでに10年かかりましたから。(私の場合ポオは最初から気に入ったので単に好みの問題ということも多分にあるでしょうが)。で、最初に全集1、2巻を読んで以降の10年間に何をしていたのかというと、実はまったくのノータッチで全然関係ないもの読んでいました。
ただ全然関係ないとは言ったものの、実のところラヴクラフトの遺産はあちこちに受け継がれているのでまったく触れなかったわけでもなく、御大の筆になるものを読まなかっただけ、ということですが。
まあキングやらウィルスンといった大物作家だけでなく、色んな作品の中やら解説やらでラヴクラフトの名には行き当たるので、じゃあここらで一つまとめ読みでもしておくか、といった感じでかなり後になってから読んだわけです。
本は作品だけを評価したらいい。作家の人となりになど興味ない。そんな言葉は私にとっては嘘です。スポーツなどで競技者個人の背景やドラマを読み取らずに観賞したとしたら評価されるのは結果だけ。これが本だったら点数つけておしまいってことになりかねません。ピンチョンやサリンジャーが作品だけを読めと人前に絶対に出ないことも読者にしてみれば作品に輝きを与える要素の一つだし、より楽しみ尽くすためならば幻想を膨らませたほうがずっと楽しいんじゃないかな。真実さえ見誤らなければ、そこには偽や嘘の情報すら含まれてもいいと私は考えます。
ラヴクラフトの多くの作品は、単体では面白くないと思われても仕方ないものがほとんどでしょう。こけおどし、饒舌、悪文、曖昧、古い、宇宙(笑)etc…。しかし読んでいるうちに情が移るのが人の常。というかひどいのが前提のB級ホラーにばかり接してきたから寛大になったのか、はたまた歳を食ったことで変な余裕でも出たのか。最近はどんなものでも楽しいし、怒りを覚えるようなこともまったくなく、逆にそこからさらに興味が広がったりして、時間はあまりないのにこっち方面では随分大らかな気持ちになっています。頑張ったところでこの世の全ての本など読めるわけもないし、そんな切迫感を持ちたくもないので、そのときそのときに興味を持ったものを突付いて周るばかり。
そんな中でもクトゥルー神話ってのは適度に突付き甲斐があって楽しいのですよ。ラヴクラフトだけでなく、個性的な周辺作家が心から楽しんで書いたであろう数多の短編群は、捻りに捻った怪物の造形や、背景を埋め尽くしてゆくかのように産み出される神話の数々で、日常のすぐそばに寄り添う深淵を好む者にはこの上なく魅力的なものに映るのです。
古典を読むときに「古めかしい」、「今となっては…」といったものは禁句。それも含めて楽しめるようになるまで時間はかかりましたが、芳醇なワインにも似たそれらを正しく楽しむためにも、それらの要素も全て含めた上で吟味したいものです。
十代の頃は普通に古典をそういうものだと思って読んでいたのに、いつの頃からか古いものを特別視するようになっていました。SFなんて特にそういうところがありそうだけど、あまり現代性に毒されると目が曇ってしまうところが確かにあるようで、「十代の夏休み」なんて言葉に郷愁を覚えるようになるこの歳まで曇ったままだった。なんともったいない。
というわけで、最近またこそこそと古いものばかり買い漁ったりしています。十代、二十代ってのは無敵というか人の話を全然聴かずにあちこち切りつけて回るだけだけど、30代もかなり過ぎたらまたなんか別の意味で楽しいなあ。こうも内面が変化するものなのか、と。朝5:00くらいに目が覚めるようになってきたし、眠りは浅いし、トイレは近いしで、微妙なところもあるんだけどさ。いや、それ、老け込み早すぎじゃないか。
ラヴクラフトとは無関係な話になってしまったけど、ただの戯言なので気にしない。
■ 買い物

『ラナーク 四巻からなる伝記』 アラスター・グレイ(国書刊行会)
ダンテ+カフカ+ジョイス+オーウェル+ブレイク+キャロル+α……『重力の虹』、『百年の孤独』に並ぶ20世紀最重要世界文学、だそうです。
『真ク・リトル・リトル神話体系2』 ラヴクラフト他(国書刊行会)
珍しく国書刊行会の新刊が入荷していて嬉しかった…けれど、レジで泣いた。
『Dead White』 ジョン・シャーリー(エンターブレイン)
シャーリーが描くバットマン・ストーリイ、ということで名前買い。
■ [自然・虫] 午後の部

シジミチョウはいつでもどこにでもいるのでつい見過ごしてしまいがちですが、見かける数種のどれもが美しい。
久しぶりに見かけたベニシジミ。春には多く見られるものの、夏頃からはほとんど見かけていませんでした。すぐそばの川原に行けばいつもいるので、単にこの場所が適していないだけなのか、その理由はよくわからない。
ハラナガツチバチをそのままスケール・ダウンしたような謎のハチ。ハラナガツチバチがアシナガバチほどあるのに比べ、こちらは1cmに満たないくらい。
ホソヒラタアブ、ナミホシヒラタアブに比べて滅多に見かけないクロヒラタアブ。ホバリング好きなのは他の種類と同様。
■ [自然・虫] まだいます

明け方かなり冷え込んだので、今日はちょっと遅めの10時頃に散策。
もっと虫の表情を捉えられないかと、できるだけ寄って撮ってみました。
朝はまだ動きも鈍いツユムシ。この時期まで生き延びてきた勲章なのか、もう触角も脚も翅もぼろぼろ。
秋口から急激に数が増え始めたキゴシハナアブ。アブはこの時期一番個体数が多く、どの種類もみな元気。
アシナガバチなどの大型のハチはほとんど見られず、あとは小さなハバチやこのミツバチがわずかに頑張っているくらい。
今日は珍しく姿を見せてくれたハラナガツチバチ。その名のとおり腹部が長く、体毛がもふもふしているせいでかなり大型に見えます。
この時期になると見かける甲虫は小さなテントウムシくらい。大型の甲虫は体力十分そうに見えるのになぜ最盛期はあんなに短いのか。
![バットマン [デッドホワイト] バットマン [デッドホワイト]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/31K6CnNGyWL._SL160_.jpg)








