2006-06-11
■ 読みかけ

Book offに行ったけど掘り出し物はなし。新刊とあわせて買ったのはこれだけ。
『重力の影』 ジョン・クレイマー(ハヤカワSF)
この頃('96)はSFをあまり読まない時期だったので全然知らない作品。
『隠し部屋を考察して』 エリック・マコーマック(創元推理文庫)
前から気になっていたものなのでこの機会に読みましょう。
『ドランのキャデラック』 スティーヴン・キング(文春文庫)
ハードカバーで既刊の短編集"Nightmares & Dreamscapes"の文庫落ち。4分冊となるそうです。実はこれ、半分も読んでいないので文庫版で持ち歩いて読みきろうかと思っています。で、早速三篇だけ読んでみました。
『ドランのキャデラック』
ギャングに妻を殺された男の復讐を描いた長めのもの。なぜ長いかといえば、まるでスタージョンの『殺人ブルドーザー』みたいに道路工事に関する薀蓄がぎっしり詰まっているから。普通の読者なら冗長と思うところでしょうが、キングファンにすればこんなものであくびしてるようでは長編なんて読めません。ちなみにここで披露される土木工事と数学理論のあれこれは兄のデイヴィッドからの助けを得たとのこと。このお兄さん、キングファンの間では<ハンガーで魔法の杖を作ることができる>人として有名ですね。
内容は<早すぎた埋葬>テーマで、私のような閉所恐怖症気味の人間にはどんなホラーよりも息詰る恐怖を感じさせてくれます。淡々と仕事をこなす主人公の狂気に満ちた独白は、いかにもポオの影響が見られて楽しい。
『争いが終わるとき』
キング好きの間では『ラ・プラタの水』として有名な作品。血気盛んで諍いの多いことで有名なテキサスの中でなぜか犯罪発生率のきわめて低い土地ラ・プラタ。この土地の水源に原因があると睨んだ科学者はついに世界に蔓延る暴力を一掃する手段を思いつくが・・・といったお話で、進化を扱ったSFなどは書けっこないキング流ジョークといったところでしょうか。まあ私などは不当な暴力ばかりの世界よりも全人類が馬鹿のほうがまだましかと思ってしまいますが。
『幼子よ、われに来たれ』
第一短編集『ナイト・シフト』から漏れたということで相当古い作品ですが、かなり手は加えてあるとのこと。ロバート・ブロックあたりの書きそうなヒステリックなお話は言葉の少なさもあって確かに以前のキングらしい手触り。
この後の『ポプシー』、『ナイト・フライヤー』の吸血鬼もの二篇は、昨年アンソロジーで読んだばかりなので今回は割愛。
■ [映画] 『ボアVSパイソン』

タイトル通り二種の巨大ヘビが戦う映画。WOWOWでやってたので観てみましたが、これがまた実にいい感じの馬鹿映画でした。お金持ちの道楽ハンティングの獲物として輸送中の巨大パイソンが逃げ出し町は大混乱。捜査官はある秘策を思いつき、女性化学者と蛇の研究家に助けを求めます。その策とは研究所で飼育されている巨大ボアにモニター装置を埋め込み、パイソン探索に放つというもの。しかし出合った二匹の蛇がいきなり交尾してしまい、というところで爆笑。『アナコンダ』が爪楊枝くらいにしか見えない巨大ヘビ二匹が大暴れで、警察、ハンター、科学者みんな大混乱。獲物を増やしてどうするの。いかにもB級らしい練られていない脚本は、みんな脳のどこかに欠陥でもあるんじゃないかという愚かな選択ばかりを繰り返して、事態は悪いほうへ悪いほうへと突き進み、ぱくぱくと人が飲まれてゆく中で主演の男女はいちゃいちゃしてハッピーエンド。堪能した。
例によってロシア名のスタッフ、クルーばかりが並ぶクレジットの、最近の低予算・低才能映画としてはまだ頑張っているほうの一本。
